建設業許可を持つ事業者の調べ方まとめ!情報が見つからない場合の対処法も解説

建設業を請け負う事業者は、原則として「建設業許可」を取得する必要があります。では工事を依頼する側は、相手が建設業許可を持っているかどうかを、どのように確認すれば良いのでしょうか?この記事では、誰でも簡単にできる「建設業許可の検索方法」について説明していきます。

そもそも「建設業許可」とは…

建設業許可とは、名前の通り「建設業を営む」ために必要な許可です。建設業法第3条には、事業者の営業エリアに応じて国土交通大臣、もしくは都道府県知事の「許可を受けなければならない」と書かれています。

ですが「軽微な建設工事」を請け負う場合、建設業許可は必ずしも必要ありません。軽微な建設工事とは、具体的には以下に当てはまる工事のことです。

  • ●工事1件あたりの請負代金の額が1,500万円未満の工事、または延面積が150m2未満の木造住宅工事
  • ●建築一式工事以外の建設工事で、工事1件あたりの請負代金の額が500万円未満の工事

逆にいうと、上記に当てはまらない建設工事については建設業許可が必要です。ただし建設業許可には29もの種類があり、工事の内容によって必要な許可が分かれています。

建設工事を依頼する側は、相手が適切な種類の建設業許可を持っているかどうか、事前にしっかりと確認しなければなりません。

建設業許可の検索はインターネット利用が便利

では、建設事業者が建設業許可を持っているか(どの種類の建設業許可を持っているか)は、どうやって調べれば良いのでしょうか?

以前から利用されているオーソドックスな方法は、「管轄の建設事務所で閲覧請求する」というものです。ただし閲覧請求には建設事務所まで足を運び、申請書を記入・提出するという手間がかかります。

一方、最近は建設業許可の有無や種類を「インターネットで検索する」方法も一般的です。わざわざ建設事務所に出向かなくても、自社のパソコンから必要な情報を見つけることができる、非常に便利な方法といえるでしょう。

ここでは建設業許可を検索できる、2種類のサイトを紹介します。

建設業者・宅建業者等企業情報検索システム

建設業許可の検索サービスとして最も有名なのは、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムというWEBサイトです。

画像引用元:国土交通省建設業者・宅建業者等企業情報検索システム

このサイトでは、建設事業者をはじめとする12の事業者について、国のシステムに登録された情報を調べることができます。

建設業者・宅建業者等企業情報検索システムの強みは「情報の信頼性が高い」という点です。国土交通省という公の機関が運営しているため、掲載されている情報はきわめて正確と考えられるでしょう。

また建設業者・宅建業者等企業情報検索システムは毎月2回更新されるため、常に最新の情報を手に入れることができます。

建設業者・宅建業者等企業情報検索システムの使い方

Step1 トップページ(上の画像)で「建設業者」をクリックする

Step2 検索画面(下の画像)に検索条件を入力する

画像引用元:国土交通省建設業者・宅建業者等企業情報検索システム

ちなみに検索条件には以下の6種類を指定できます。すべて入力しなくてもかまいません。

  • 商号または名称
  • 許可番号
  • 所在地
  • 業種指定
  • 営業所キーワード

Step3 「検索」ボタンをクリックする

Step3までの操作で、検索条件に一致した事業者が以下のように一覧表示されます。「商号又は名称」の項目はリンクになっていて、クリックすると、その事業者が取得している許可の種類や許可を受けた日、有効期間を確認できます。

(所在地を「東京都」と指定した場合の例)

No. 許可行政庁許可番号商号又は名称代表者名営業所名所在地
1 東京都 第000000号 ○○○○(株) ○○○○ 主たる営業所 東京都○○○○
2 東京都 第000000号 (株)○○○○ ○○○○ 主たる営業所 東京都○○○○

なお検索条件によっては何百件、何千件と表示されてしまうため、効率よく探すためには、できるだけ検索条件を絞り込むようにしましょう。

ツクリンク

ツクリンク株式会社が運営する「ツクリンク」も便利です。ツクリンクは建設業界のマッチングサイトで、さまざまな条件を指定して建設事業者を検索できます。

画像引用元:ツクリンク

ツクリンクの強みは、1社あたりの情報量が豊富なことです。事業者の基本情報だけでなく、これまでの実績や会社からのメッセージ、現在募集している内容など、建設事業者を探している人に役立つ情報が掲載されています。

ただし、事業者の建設業許可番号を調べたり、建設業許可番号を指定して検索することはできません(建設業許可を持っている業者だけを検索することは可能です)。

ツクリンクの使い方

Step1 トップページ(上の画像)の上にある「業者・ショップ」から「全国建設業者検索」をクリックする

Step2 検索画面(下の画像の左側)に検索条件を入力する

画像引用元:ツクリンク

検索条件は以下の通りです。こちらもすべて入力する必要はありません。

  • 地域
  • 業種・工事種別
  • 区分(法人・個人事業主)
  • 詳細(法人・個人事業主認証の有無、建設業許可の有無、労災や社会保険加入の有無)
  • 会社名

Step3 「検索」ボタンをクリックする

Step3までの操作で、検索条件に一致した事業者が右側に表示されます。1件あたりの表示情報が多いため、検索条件を絞り込まないと少し見にくいかもしれません。検索結果の「詳しくみる」をクリックすると、さらに詳細な情報を確認できます。

建設業許可の情報が見つからないときは……?

建設業者・宅建業者等企業情報検索システムやツクリンクを利用すれば、建設業許可を持っている建設事業者を簡単に見つけられます。もちろん、自社や知り合いの会社が建設業許可を取得しているなら、その情報もこれらのサイトに掲載されている「はず」です。

ではもし、建設業許可を取得しているはずなのに情報が見つからない(検索結果に表示されない)としたら、どうすればよいのでしょうか?

検索キーワードが間違っているかも

まず考えられるのは、検索条件や検索キーワードが間違っている場合です。たとえば以下のようなケースが考えられます。

  • 東京に営業所があるのに、北海道を指定していた
  • 土木一式工事の建設業許可なのに、建築一式工事を指定していた
  • 間違った社名で検索していた

ついうっかりミスをするのは、誰にでもありうることです。いったん落ち着いて、初めから検索をやり直してみましょう。

そもそも許可を取得しているか?

そもそも建設業許可を取得していない、というケースもありえます。冒頭で説明した通り、「軽微な建設工事」を請け負う場合、建設業許可は必須ではありません。

つまり、建設事業を行っているからといって、必ずしも建設業許可を取得しているとは限らないということです。

許可取得から日が浅いケースも

建設業者・宅建業者等企業情報検索システムは「毎月2回」情報が更新されます。このため建設業許可を受けた直後なら、まだシステムに登録されていないケースも十分に考えられるでしょう。

このような場合は、数日〜2週間後にもう一度検索してみることをおすすめします。

まとめ

建設業許可番号は、インターネットを利用することで簡単に検索できます。工事を依頼する事業者を探す場合や、一緒に工事を行うパートナーを探す場合は、ぜひ便利に活用してください!

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